こんにちは!!髙橋板金工業ブログ担当の加治です。
もう夏の気候ですね!本日の北九州は初夏の熱気が立ち込めた空気となりました。
屋根の上はすでにサウナ状態!!
板金職人はいつでも体調管理に気を付けていなければ倒れてしまいます。
皆さんも4月とは言え気を抜かず、適度な水分摂取を忘れずにお過ごし下さい。
前回のブログでは、どうすればいい?【シロアリ被害】から家を守る方法について
という内容についてお話させて頂きました。
私たちは、シロアリ被害に合ってしまった方々の家は何度も携わってきましたが
被害に合った殆どの家が悲惨な状態になっています。
下地や垂木がシロアリの被害にあっている場合は
まだ、取り戻しが付きますが
重要部分である柱や桁が被害に脅かされてしまうと
家の建て替えを検討しなければならないという程になってしまいます。
前回のブログでは、そのような事にならない為に
気を付けるべきポイントを纏めていますので
ご興味のある方はご覧いただけると幸いです。
今回お話する内容は【ルーフィングとトントン葺き】という内容についてのお話となります。
以前から【ルーフィングの重要性】についての内容は様々書いてきました
なぜルーフィングは必要なのか?
どのようにして防水しているのか?
昭和以前の屋根にはルーフィングという化学シートが発達していませんでした。
その時の屋根は、過去の先人が屋根の防水シートとして使用していた
【トントン葺き】
という今では滅多に見かける事のない特殊な防水方法を取っていました。
まずはトントン葺きを例に出してルーフィングがどのような役割を持つか
ご紹介したいと思います。
これは大正時代に葺かれた瓦屋根を撤去した画像になります。
これがいわゆる【トントン葺き】【ハイトントン】と呼ばれる下葺材
であり、今で言うルーフィングの役割を持つ物です。
その素材はヒノキ科の一種である【サワラ】と呼ばれる木を
薄くスライスした物であり、サワラは水に強く腐りにくい上に
しっかり防水し、湿気は逃がすというような優秀な素材で、現代で言う【透湿防水シート】
のような役割を持っている素材です。
この絵は板金屋根を断面図にした図です。
上の絵を見ると分かる通り、ルーフィングは下地を守るようにして施工されています。
ルーフィングとは下地が濡れてしまう事を防ぐシートであり
その素材は、アスファルトを染み込ませた紙材の上から
更にアスファルトを塗り重ねた物です。
アスファルトは石油製品ですから、水をしっかりと弾いて防水をしてくれます。
しかしその反面、トントン葺きのような透湿効果がない為
湿気を逃がしにくいという欠点があります。
その欠点を補う物が【透湿防水ルーフィング】です。
透湿防水ルーフィングについてはまた次の機会にお話させて頂きますが
トントン葺きとは寿命で80年以上も生きている物もあり
現代の科学技術を結集した製品にも勝る性能を誇っていたのですから驚きです!!
トントン葺きは現代では殆ど見る事はありません。
その理由は、トントン葺きは長年修練を積んだ熟練の職人でしか葺く事はできず
年賀状サイズの木の板を重ねて張っていく為、非常に工期が掛かります。
また、木の板を薄くスライスして加工を行う為、加工にも多大な時間を要してしまいます。
結果、施工コストが跳ね上がってしまい
安価で施工が簡単なルーフィングに押されてしまい跡継ぎの職人が現れなくなりました。
その為業界から姿を消したのですが、その技術と性能は現代の防水シートを上回っています。
いかがでしたか?今回のブログはお役に立てたでしょうか?
昔から屋根の防水技術は幾度となく研究されてきたのだと思われます。
それが見て取れる事が【トントン葺きの手間の掛けよう】です。
もっと手間が省ける方法はいくつもあったのだと思われますが
古来からあえてはがきサイズ程度の大きさを重ねて非常に手間を掛けて葺かれていた
という事には深い深いヒミツがありそうです。
これからも過去の歴史を学び今より、もっと優れた屋根を作りたい!
私はそう思いながら日々仕事をしています。
弊社は、雨樋工事、各種板金工事、コーキング工事、雨漏り工事、外壁板金工事を承っております。
工事をお考えの方はお声掛け下さると幸いです。
最後まで読んで下さりありがとうございました!
これからも皆様のタメになる情報を発信していきますのでよろしくお願いします!
皆様のご健康とご多幸をお祈りしております。
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